しみず手帳・ブックデザイナーの日々

フリーランス ブックデザイナー 清水佳子の日記。 デザインした作品、2匹のネコ、ベランダで育てている植物も紹介していきます。神奈川県川崎市在住。

進藤やす子の着回しの天才〈印刷のこと〉

きのうのブログから、デザインした本『進藤やす子の着回しの天才』をご紹介しています。


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進藤やす子の着回しの天才 12Items, 120styles


今日は印刷の話です。

進藤やす子さんのイラストは、コピックというマーカーで着彩されていますが、
彩度が高かったり蛍光がかった発色のものが多く、通常のプロセス4C印刷では表現できないのです。

その発色に少しでも近づけるために、
ミーハー♥クローゼット』と同様にマゼンタに蛍光ピンクを混ぜ込む事にしたのですが、
改めてインクの配合と、用紙のテストをしました。

B7トラネクストユトリロプレミアエクセルOKピクシードで、
インクの配合を20%ずつ変えて試してみました。
結果、さすがどの紙も発色には定評があるので、何を選ぶかは好みの問題でしたが、
普段からよく使い慣れているB7トラネクストを選択しました。


紙が決まったところで、今度はインクの配合。

左、マゼンタ60%+蛍光ピンク40%
真ん中、マゼンタ40%+蛍光ピンク60%
右、マゼンタ20%+蛍光ピンク80%
(↓※クリックで拡大)
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蛍光ピンクの分量が20%刻みで右にいくほど多くなります。
蛍光ピンクが多く入るほど、マゼンタを混色してあるオレンジ、赤、紺、紫の色に影響がでます。

写真だとちょっとわかりにくいかもしれませんが、
蛍光ピンクの配合が多いものは肌色は美しいですが、赤色のカーディガンの色が浅い印象になってませんか?
蛍光ピンクが多い右の色校は、紺のストライプパンツが紫っぽい蛍光を帯びて見えますよね!

いろいろ総合し、M50%+蛍光ピンク50%でいくことになりました。
(この配合は『ミーハー♥クローゼット』と同じです)


あと、今回の印刷で勉強になったのは、色校と本機印刷の色の違いです。

通常の平台校正と本機校正では印刷機の仕組みが違うので、
色校でしっかり色をチェックしても本番の印刷が上がってくると印象が変ることは
経験から知っていましたが、どのように変わるかは掴めておりませんでした。

今回はいつもの色校の他、一折り分の本機校正も出してもらいました。
並べて見比べてみると結構違うんですよ。

印刷機や設定によっても違うかもしれませんが、大きくは以下のような違いがありました。



★うす色部分では、赤味が増す。
(たとえば肌色や、やまぶき色、淡い青色などに影響あり)

★濃紺部分では、赤味が減る。
(なす紺のようなムラサキ寄りの紺が、赤味が減って普通の青っぽくなる)


上記の傾向を頭に入れつつ、平台校正のみのページも色を予測して赤字を入れていきました。
苦労したかいあって、なかなかの色に仕上がったと思います。


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